Plaud note Proレビュー。仕事の文字起こし以外の「意外な活用法」
これまで仕事の会議で文字起こしが必要な際は、Apple Watchの純正アプリで録音し、人力で聞き取るか、Geminiに文字起こしを依頼するワークフローを採用していました。 でも、Apple Watchの録音品質はいまいちだし、Geminiへの指示もステップが多くて「軽率には使えない」。かといって過去に使ったNottaは精度もいまいちだった記憶があるしUXが好きじゃない……。
そこで、どうせならなんか有名なハードを入れてみようと、今回は専用ハードウェアであるAIボイスレコーダー「Plaud note Pro」を導入しました。
いや、実際はこんなすんなり決めて無くて、かなりGeminiと相談したうえで、「文字起こしの精度は録音の音質がとにかく重要であり、録音・文字起こしの専用ハードを購入することでAppleWatchと比べて相当改善するだろうから買う価値がある」と結論したので、酒の勢いも借りて買いました。 主な目的は仕事の業務効率化でしたが、ちょっと触ってみると「口述筆記」によるブログ執筆や「ライフログ」といった、プライベートでの意外な活用法が非常に面白かったので、まずはファーストインプレッション・レビューです。
| 評価項目 | 詳細 |
|---|---|
| メリット | ・AIによる要約精度が高く、会議やライフログの把握が容易 ・「口述筆記」の要領で喋って、AIテンプレートが記事の骨子にしてくれるのでブログ記事の種を手軽に記録できる ・Magsafe対応ケースと長時間バッテリーで「常に録音できる」手軽さ ・クレジットカードサイズで非常にコンパクト |
| デメリット | ・充電器が専用マグネット式(紛失・故障時にリスク=詰む) ・Magsafeケースが硬く、本体の取り出しに難儀する ・スタータープラン(月300分)を超える利用には有料課金が悩ましい |
導入経緯:私がAIボイスレコーダーに行き着くまで
AIボイスレコーダーの導入は、これまでのワークフローへの地味なストレスから始まりました。
今までの録音・文字起こしワークフロー
これまで、仕事の会議では録音・文字起こしの必要性に応じて、以下の3パターンで対応していました。
- 逐語録が不要な場合: 録音せず、会議中にPCでメモを取って済ませる。
- 聞き漏らしが不安な場合: Apple Watchの純正録音アプリでバックアップとして録音し、メインはPCでメモ。必要に応じてGeminiで文字起こしし、自作メモを補完。
- 逐語録が必要な場合: Apple Watchで録音し、人力で聞き起こす。(しんどい)
課題①:Apple Watch録音と人力・Gemini文字起こしの限界
このワークフロー、特に「2」と「3」には大きな課題がありました。 第一に「音質」。Apple Watchは専用録音機じゃないので、広めの会議室で遠くの人が話す内容は聞き取れないことが多く、人力での文字起こしに支障が出ます。 第二に「手間」。Geminiの文字起こし自体は「結構使い物になる感じ」だったんですが、録音ファイルのアップロード、フィラー語も残した純粋な文字起こしの指示(第1段階)、フィラー語を削除しクリーンアップする指示(第2段階)と、複数ステップが必要。 これが面倒で、「軽率には使えなかった」わけです。
課題②:過去の失敗(NottaのUXが合わなかった)
以前、スマホアプリの「Notta」を利用したこともあります。 しかし、当時のAI精度がいまひとつだったことに加え、UX(ユーザー体験)が個人的に最悪でした。 スマホのローカルファイルをクラウド同期後、再度アプリを開くと同じファイルを再アップロード・再文字起こししようとすることがあり、秒で文字起こし分数を使い切ってしまったり。もちろん、スマホ録音を利用するため、根本的な音質の向上もありませんでした。
なぜ「Plaud note Pro」を選んだのか?(無印との比較)
この辺の悩みはもう仕方ないものと思ってましたが、多分YoutubeのCMかなにかでAI文字起こしが取り上げられて、ふと気になってGeminiに相談。冒頭にも書いた通り、録音品質の向上も期待できる専用ハードウェアの導入を決定しました。
Plaudブランド自体は漠然と知っていて、まあ有名だしここでええやろくらいの気分で決定。 ただ、その中でもPlaud note、Plaud note pin、Plaud note proの3種類あるという。 最近、自分の意思決定の半分くらいをGeminiに相談してるので、ここもGeminiに相談して、結局最新モデルである「Plaud note Pro」を選びました。

選定理由①:最新最上位モデルであり、通話録音可能な「Note型」
最大の理由は、まぁ、最新の最上位モデルだったから、というのが正直なところです。 Plaudには「Pin型」と「Note型」がありますが、いつでも録音できる手軽さを求めつつ、通話録音機能も利用したかったため「Note型」を選択しました(Pin型は通話録音ができない)。
選定理由②:「Pro」の優位性(4マイクとOLEDディスプレイ)
無印の「Note」ではなく「Pro」を選んだのにも、理性的な理由(付け加え)が2点あります。
- マイク性能: 無印が2マイクに対し、Proは4マイク搭載。録音品質の向上を企図してハードを買うわけですから、マイク性能が高そうな方を選びたかった。
- OLEDディスプレイ: Proモデルには有機ELディスプレイが搭載されており、バッテリー残量や録音ステータスが一目でわかる。無印にはこれがない。バッテリー残量くらい単体でわかんないと普通に不便でしょ。

| 比較項目 | Plaud note(無印) | Plaud note Pro |
|---|---|---|
| マイク数 | 2 | 4 |
| ディスプレイ | なし | あり(OLED) |
| 通話録音 | ◯(Magsafe経由) | ◯(Magsafe経由) |
| 価格差 | – | Proが数千円高い |
到着までの道のりとハードウェア第一印象
Proモデルは最新機種ゆえか、到着まで少し時間がかかりました。
10営業日待ち→1週間で到着。待つ間の「Plaudがあれば!」感
2025年10月22日の朝に黒色を発注。「10営業日以降に入荷次第発送」と案内されていましたが、実際は早く、29日夕方に発送連絡がありました(注文から約7日)。 30日にクロネコヤマトへ引き渡され、31日の昼頃にネコポスでポスト投函(到着)。待っている間に会議があるたび、「今Plaudがあれば!」と待ち遠しかったです。最新モデルゆえに生産が追いついてない、とかなんだろうね。
開封:想像以上のコンパクトさと、硬すぎるMagsafeケース
本体は想像以上にコンパクト。フットプリント(縦横)はクレジットカードとほぼ同じ。厚みもクレカ3〜4枚程度です。


付属のMagsafe対応専用ケースが、これがまた、本体に非常にぴったりなサイズで、一度入れると取り出すのに難儀するほど硬い。ケース裏側の楕円形の切り込みから親指で本体を押し出し、反対側から引き出す……といった感じで、ちょっと苦労します。 とはいえ、ケースにはマイク穴や充電端子用の穴が空いているため、基本的にはケースに入れっぱなしでの運用が前提となります。


不安要素:専用マグネット充電器はProモデル専用なのか?
気になる点は、充電器が専用のマグネット式であること。 長期出張とかで充電器忘れたら詰むし、充電器が壊れても詰む。 Proは最新機種のため、サードパーティ製の対応充電器もまだ見当たりません。 ただ、Geminiに聞いたら「旧Plaud note用の充電器が使える」と言っていたので、1個1000円しないし、人柱がてら買ってみました。これは届いたら試します。
【レビュー本編】仕事の文字起こしと「意外な活用法」(気に入った点)
Plaud note Proは、仕事での録音品質向上を期待して導入しましたが、実際に使ってみるとAI機能の「活用法」に大きな発見がありました。
気に入った点①:AI要約が優秀で、素の文字起こしをほぼ見ない
肝心の録音品質ですが、正直なところ、AIによる要約が便利すぎて、素の文字起こし(テキスト)はろくに見てないし、音もあえて聞くことが少ないので気にしてません。 仕事での利用はこれから本格化しますが、プライベートでの利用(雑談、買い物など)では、文字起こし・要約共に問題なく機能しています。
気に入った点②:「口述筆記」がブログ執筆のハードルを劇的に下げる
最も気に入っている「意外な活用法」が「口述筆記」です。 Plaud note Proに向かってブログ記事のアイディアを吹き込むと、AIがそれをブログ記事の体裁にまとめてくれる専用テンプレートが用意されています。これにより、ネタを書き留めるハードルが劇的に下がりました。 で、そのメモを元にGeminiと相談しながらブログ記事として整理し直して、最後に人間がリライトすればざっくりした記事は作れる。すごい時代。
気に入った点③:「ライフログ」として雑談や買い物を記録する面白さ
録音の手軽さから、ライフログとしての活用も非常に有効です。 例えば、買い物中に録音し続けると、「何を買ったか」「いくら使ったか」がAI要約にまとまります。

最初に使ったときは「なんでそんなことまでわかるの?!」ってびっくりしました。私か店員さんが値段とか言ってたんでしょうが、無意識での発言も容赦なく拾ってくれるのでログ力高いです。 車内での雑談を記録しておくと、後から会話を振り返ることができます。こういう雑談って意外と大事なこと言ってたり、示唆があったりするし。 気に入ってるのが「名言を抽出する」といったユニークなAIテンプレート。日常の会話から面白い表現を拾い上げてくれます。
気に入った点④:専用機ならではの手軽さ(Magsafeと長時間バッテリー)
Apple Watchやスマホと異なり、専用機ならではの手軽さが際立ちます。 Magsafeケースで常にiPhoneの背面にあり、ボタンを長押しするだけですぐに録音を開始できます。バッテリーも最大50時間(高音質モードで30時間)と長いため、充電を頻繁に気にせずに気負わずに使える点が最大のメリットです。

今後の課題と気になる点(不満点)
ファーストインプレッションとして非常に満足度が高い一方、コスト面での課題もあります。
最大の悩み:課金プランをどうするか(7日間無料体験中)
Plaud製品は、購入時点で「スタータープラン」(毎月300分=5時間)の文字起こしが無料で付与されます。 これを超える場合は、有料プラン(都度購入、またはサブスク)が必要です。
- Proプラン(月20時間): 年額 16,800円(月1,400円相当) / 月額 3,000円
- 無制限プラン: 年額 40,000円(月3,333円相当) / 月額 5,000円
年額と月額の価格差が大きいため、契約するなら年額が現実的です。 現在、購入特典の「7日間無制限プラン無料体験」を利用中ですが、口述筆記が快適すぎて仕事以外でもバリバリ使う気がする。でも無制限プランまで課金して良いのか決めきれず……。 残り数日の無料体験期間で、仕事での活用度合いを見極めて判断したいと考えています。

本格的な「録音品質」のレビューはこれから
今回はファーストインプレッションのため、4マイク搭載の「Pro」モデルの真価である「録音品質」の本格的なチェック(例:広い会議室での遠くの音声、騒音下での録音)はこれからとなります。
総評:Plaud note Proは「買う価値」があったか
スマホ録音で十分な人と、専用機に投資すべき人
スマホがあるのにも関わらず、専用の録音機(しかも高価なProモデル)を買うことには結構抵抗感がありました。 しかし、結果として「口述筆記」という新たなワークフローの発見により、ブログ執筆のハードルが劇的に下がるという、期待以上の価値を得られました。
- スマホ録音で十分な人: Geminiなどを使って録音ファイルを都度アップロードし、プロンプトを工夫する「手間」を許容できる人。
- 専用機に投資すべき人: Magsafeでの携帯性、ボタン一つの手軽さ、そして高精度なAI要約・テンプレート機能に価値を感じる人。
まとめ:口述筆記という「嬉しい誤算」と仕事への期待
Plaud note Proは、仕事の会議の文字起こし効率化を狙って導入しましたが、それ以上に「口述筆記」や「ライフログ」といったAI活用が強力なデバイスでした。 今後は、本来の目的であった仕事の会議での録音品質テスト(4マイクの真価)を試していく予定です。


