Even G2レビュー|1週間毎日使っても、刺さる使い道はまだ見つからない
14万円のスマートグラス、Even G2。届いた日の第一印象は前回書いた。
あれから1週間、会議も、移動も、雑談も、仕事の日は日中ずっと顔に乗せて過ごしてみました。
1週間後の正直な感想は、日常で「これがないと困る」場面はあまりなかった。
側圧も地味に痛い。「今はEven G2外しても良いかも」と思う瞬間さえある。
ただ、14万円を出して買ったし、このグラスが本領を出すはずの海外出張はこれから。
だから評価はまだ保留にしています。

一日つけっぱなしにすると、側圧がじわじわ効いてくる

第一印象では気づかなかった弱点が、丸一日かけると分かる。側圧が強い。
朝からかけて夜の飲み会まで一日通すと、側頭部がだんだん痛くなる。
飲み会の途中で、「結構横が押さえつけられて痛いなあ」と感じるくらいには。
やっかいなのは、自分で直しにくいこと。
普通のメガネと違って、町の眼鏡屋さんに持ち込んでも調整してもらえない。
かといって自分でペンチでひん曲げるのは、テンプルに精密部品が詰まっているからおっかない。
普段のメガネが緩めの調整だったぶん、余計に強く感じるのかもしれません。
毎日つけっぱなしにするには、ここが地味に効く。
常時ではなく、必要なときだけかけ替える運用のほうが現実的かも。

日常で「必須」の場面は、あまり訪れなかった
1週間、意識して使い倒した……と言いたいところだけど、「Even G2じゃなきゃ!」という瞬間は少なかった。毎日使うデバイスかというと、正直まだ確信が持てません。
唯一、地味に嬉しいのが時計。上を見るだけで時間が分かる。
それだけのことが、妙にいい。朝の支度してる時とか、遅刻しないために時間をいつでも見れるのは大事。ただ、14万円の理由にはならないし、いよいよAppleWatchで十分。ってか普通の時計で十分すぎる。
1週間つけて見えたのは、Even G2はメイン機ではなく、スポット利用のデバイスだということ。大事な会議や、これから控える海外出張。ここぞの場面で差す。今のところそんな用途かなぁ。
目当てのAI機能は、期待と現実の落差が大きい
一番期待していたのが、会話をその場で文字にして補足を出す会話サポート。でも、実際使ってみたら手放しに褒められる感じではなさそう。
会話サポートは、使い方で評価が割れる
事前にこちらの状況や周辺知識(コンテキスト)を渡してから使うと、AIがそれに引きずられてしまう感じがあった。
欲しいタイミングで補足が出てこなかったり、少し的外れなアシストが入ったり。文字起こしの誤りも影響しているのかもしれません。
実際、今日もコンテキストを渡して試したけれど、いまいちでした。
逆に、何も渡さずニュートラルな状態だと、自分の知らない情報をふっと出してくれて、役に立った場面もある。でも、ニッチな統計の数字とか、自社製品の細かい仕様とかのフォローはしてもらえない。要は過不足があって、まだ安定しない。 毎日頼る機能かというと、正直まだ確信が持てません。
翻訳は、実戦だとまだ綻ぶ
リアルタイム翻訳も実験。英語のYoutube動画を流して翻訳をチェックした限りでは悪くない。
ただ、日本語と中国語が入り混じる実際の打ち合わせで使うと、これが安定しない。

中国語→日本語に設定したはずが、中国語がなぜか韓国語に翻訳されて表示されたり。アプリ表示は「中国語→日本語」のままなのに。別の場面では、日本語がしばらく続いた後の中国語が翻訳されず、そのまま出た。
原因は私にも分からない。ただ、表示している言語ペアと実際の結果が食い違うことがある、とは言えます。本命の海外出張で英語相手にどこまで使えるかは、これから。
バッテリーは正直きつい。録音はやっぱりPlaudの勝ち
実使用で一番刺さったのがバッテリー。会話サポートを約4時間半続けて使ったら、G2本体は残り31%、ペアのiPhoneも18%まで落ちた(途中充電なし)。別の日も、回しっぱなしで4時間ほどで75%→63%。
AI処理の通信をスマホ側が担っているので、グラスとスマホ、両方のバッテリーをまとめて食う。
公称2日は、通知やナビをたまに見る前提の話。会話サポートのような連続高負荷では、その前提から外れます。まあPlaud note pinと違ってダッシュボードで大まかな電池残量分かるからまだ安心だけど!
面白いのは、買う前の見立てが裏返ったこと。「身につける端末なんだから、録音もEven G2でやればもっといいのでは」と思っていた。ところが1週間で、録音はやっぱり専用機(Plaud)の勝ち、という結論に。理由はこのバッテリー消費と、気楽さの差。Plaudのとりあえず回しておけばいい軽さは、Even G2にはない。

それでも後悔していない。14万円で未来を体感できたから

ここまで弱点ばかり並べた。それでも、買ったことを後悔していない。理由は実用ではなく体験のほうにある。
視界の上を見ると、自分だけに見える情報が浮かぶ。時間も、タスクも、天気も。一つひとつはスマホでできることでも、それが自分にしか見えない空間に出ることに、確かな未来を感じる。Apple Watchが出たときも「スマホでできるじゃん」と言われた。あの構図と同じ。
言うなれば、2026年の夏に未来を体感できるデバイス。iPhone 3G、3GSを当時買ったくらいのつもりで、私はこれを買った。実用の道具ではなく、体験代として。この分野の現在地を、自分の顔で知れた。それでもう、もとは取れています。
だから万人にはまだ勧めない。成熟しきっていないし、これからG3、G4と良くなるジャンル。この記事を読んで「買うか迷う」くらいの人は、まだ買わなくていい、とさえ思う。
逆に、ここまで読んでもう欲しい人は、言われなくても買うでしょう。まごうことなきアーリーアダプター。そういう人を止める理由はない。
本当の評価は、海外出張で英語相手に使ってから。翻訳とテレプロンプターが実戦で効けば、14万円の意味はそこで証明される。

