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「何でもできる」と「何でもやる」は別だった。AI同時並行の罠

大下勇次
記事内に商品プロモーションを含む場合があります。また、記事の作成に生成AIを活用していることがあります。

気づけば、Claudeのチャットセッションが同時に何個も開いている。文字起こしソフトを自作しながら、蓄電池の制御プログラムを書きながら、旅行の計画も進める。
何でもできるようになったはずなのに、気づけば何も終わっていない。

Claude Max20倍で、同時並走がデフォルトになった

ClaudeMax20倍プランの表示画面
今年7月にMaxへ課金してから、複数セッションの同時並走が習慣になった。

月220ドルのMax20倍プランを使っている。110ドルのプランとの違いは、正直まだよく分かっていない。

複数セッションを同時に走らせる習慣がついたのは、今年7月にMaxへ課金してから。
文字起こしソフトを自作しながら、蓄電池の制御プログラムを書く。セカンドブレインの不具合をチェックしながら、AIと進める管理手法を考える。同時に旅行の計画も立てる。2〜3個同時は当たり前で、多い日は5個、6個が同時並走します。

Max20倍まで引き上げたのは8月に入ってからで、まだ2週間も経っていません。プラン選びやクレジット消費の実測は別記事で。

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こんなことができるのは、セカンドブレイン(考え方の癖や仕事の中身をMarkdownでまるごと持たせてあるノート群)をClaudeがいつでも参照できるようにしてあるからです。
毎回コンテキストを説明し直す必要がなく、適当に聞くだけで的確な答えが返ってくる。この土台があるからこそ、複数を同時に回せてしまいます

5〜6セッション回すと、全部が中途半端になる

複数のClaudeチャットタブが同時に開かれたClaude デスクトップアプリ画面
この状態で片っ端から巡回することも珍しくない。

問題は、実際にやってみると全部が中途半端になること。
5個も6個も同時に走らせていると、チャットを順次確認して回ることになります。

これってもう応答終わったかな、まだ考え中かな

勇次
勇次

判断が必要なセッションにようやくたどり着いても、「あれ、これは何だっけ」と思い出すところから始まる。5つも回っていれば、何を頼んだかなんて忘れています。

一番最初にセッションを開いて「これ進めて」と言った瞬間には、課題感や目的意識があったはずです。それが、複数を同時並行でこなしているうちに、何のためにやっているのか、なんでこれをやっているのか、どんどん分からなくなっていきました。
5個全部が同時に進んでいるはずなのに、望んだ通りの結果になったものはほとんどありません。

全部中途半端になった代償は、主体性だった

行き着く先は「よく分からないけど、AIがダメって言うからダメなのかな」でした。考えることを、いつの間にか放棄している。

私はエンジニアではないので、難しい言葉で複雑な判断を求められてもよく分かりません。だから「勝手にいいように決めておいてください」と頼むようにしたら、多少はマシになりました。それでもClaude側のセキュリティ上の制約に引っかかって話が止まる場面はあります。
情報も責任も自分にあるんだから、多少危なくてもいい。そう好みを調教してるけど、限度はあります。

これ自体は本質ではありません。5個も6個も同時に進められるようになったのに、実際に同時に進めると全部が煮え切らない。望んだ通りの結果にはならなかった。AIが人のために働いているのか、人がAIに働かされているのか分からない。自分の主権を失ってしまっている……そんな感覚が、確かにありました。

「やれること」と「やらなきゃいけないこと」は別問題

何でもできるから、何でもやろうとした。その結果、全部が中途半端になった。それが今回の顛末です。

AIの登場でいろんなことができるようになった。ここまでは間違いなくポジティブな話。でも、だからといって、いろんなことを同時に一気にやらなきゃいけなくなったかというと、そうじゃないはずです。

雇われの仕事にAIを使うなら、何をやるかの指示は別のところ(上司)から来ます。でもプライベートの改善や副業のように、裁量でやることを決められる場面は違う。同時にいろんなことができるようになったからといって、同時に進める義務はないはず。

あれをやりたいと思った瞬間、そのままAIに投げれば、確かにできてしまう。でもそれをやると、全部が消化不良のまま終わる。私みたいに。だから、やりたいと思ったことはひとまずタスクやToDoとして記録するだけに留めて、腰を据えて「今日はこれをやる」と決めたものだけをAIと一緒に進めたい。考えなしに全部をその場で進めるのは、結局クオリティが下がるだけだ。無分別にならないようにしたい。

効率化のためのインフラ作りが、いつのまにか目的にすり替わる

これを今すぐ実現できるかというと、たぶんできない。
今はAIを使いこなすための土台、つまりタスク管理の仕組みや、思いついたことをAIが勝手に下調べしておいてくれる仕組みを作っているフェーズだから。

結局そこから手をつけようとしてしまうので、複数のセッションが同時並行になり、全部があと一歩足りないまま終わる状態は、まだしばらく続くと思う。

そもそも最初にMax5倍のプランへ入ったのも、AIを使うためのインフラ構築が目的だった。集中期間は1か月限定のつもりだった。作った結果、重い案件は上位モデルでレビューするルールまで整えることになった。クレジット消費が増えて、Max5倍では追いつかなくなり、Max20倍まで引き上げた。振り返ると、これがけっこう自己目的化している自覚がある。AIを使うためのインフラを作るのは、AIとうまく物事を前に進めたいからのはずだ。なのに今は、そのインフラ作りにばかり時間を使っている。インフラを作ること自体が、目的になりかけている。

私の趣味である業務効率化も同じ構造があると思う。
効率化のために組んだインフラの維持にかかる時間が、効率化によって浮いた時間を上回る。どこかに損益分岐点があるはずで、AIの使い方もまさにそんな感じがしている。

AIは従者であって、主人ではない

一日中、「あ、これAIにやらせなきゃ」ということに頭のスペースを取られて、幸福度や生産性が下がるなら、本末転倒だ。実際、下がっている実感がある。

主人、ホストは私で、AIは従者である。この関係だけは間違えたくない。同時にできることと、同時にやる必要があることは別だと肝に銘じて、必要なこと以外は同時にやらない。言葉にすればそれだけのことだ。

まだ実験中

それでも、正直に言えば、インフラ作りの沼にはまだ片足を突っ込んだまま。
土台を作ること自体が目的になりかけている自覚がありながら、その手を止められずにいる。
主人と従者の関係を保ちたいと思いながら、従者のための家をせっせと建て続けている……その矛盾を抱えたまま、しばらくは同時並行を続けることになりそう。

大下勇次
大下勇次
管理人
Profile
地方で働く30代デスクワーカー。過酷なインド出張から日々の業務まで、あらゆる「めんどくさい」をテクノロジーで解決するのが好きです。 3DプリンターやDTM機材などのハードウェアから、最新のAIエージェントによる自動化まで、気になったモノは徹底的に使い倒して検証しています。 過去には映像制作やYouTube投稿にのめり込んだ経験もあり、その知識を活かして、実生活で本当に役立ったガジェットとアプリの最適解をブログで発信中です。
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